サンプルデータがあらかじめ入っている。それらを開くだけで、感じが掴めるようになっている。
まずは, サプライヤから仕入れて在庫に入るまで, を見ていこう。
左上の田でアプリを選ぶ。画面最上部のバーがメニューになっている。Purchase Order を開く。
サンプルの Ready Mat 社から FURN_0269, FURN_8888 を仕入れる。
Odoo のそれぞれの伝票は, ほかのERPと同様, ステイタスを持っている。Purchase Order (PO) は, 見積依頼 > 見積依頼送付済 > 購買オーダ, と遷移する。
ステイタスは、いつでも右上に表示される。可能なアクションは左上、伝票自体の編集はその上。メニューバーのすぐ下は、パンくずナビゲイションに見えるがそうではなく、履歴が表示される。整理されていて, 見やすい。
「サービス」の見積依頼が作れないようだが、本当か? 別アプリの「整備」から備品の Repair Order も作れない (購買側からも作れない) が, 本当か? ちょっと機能が足らなすぎるんじゃないか。
[Eメールで送信] などをクリック。
ステイタスを「購買オーダ」まで進めた。次は、注文した物品が届いたとして, 入荷しよう。左上の [プロダクト入荷]ボタンをクリック.
POから転記されて, 入荷伝票が作られる。
入荷伝票は、ドラフト > 待機中 > 準備完了 > 完了, というステイタスを辿る。
完了列が 0.00 になっている。[編集]ボタンをクリックして、完了数量を記入。[保存]ボタンで保存.
[検証]ボタンで, ステイタス=完了になる。
PO00007 伝票に戻ると, [請求書作成] ボタンが有効になっている。クリックすると, 購買請求書に転記されて, 請求書受入れに進む。
請求書は, ドラフト > オープン > 支払済、と進む。
支払いは, 請求書の画面から作るようになっている。作れてもいいけど。複数の取引先にまとめて支払うことを考えると、ふつうは出金機能が必要。「会計」アプリが使えないので、会計側から作れるかどうかは不明。
次は、販売側を見てみる。
在庫アプリのプロダクトの状況の画面から,
サンプルの FURN_8888 Office Lamp を販売してみよう。
右上の [On Hand]ボタンから,
手持ち在庫が 15ヶ (先ほど購入した分) ある。
販売アプリのほうから入って, 引き合いを受けたとして, Sales Order を作る。
Sales Order のステイタスは, 見積 > 見積提出済 > 販売オーダ, となる。
手持ち在庫より多い個数を入力すると、警告が出る。Good! しかし、これはただの警告で、多い数量が入力できてしまう。さらに, 納期を入力する場所がどこにもない。これ、仕入れ側の納期との関係で、対応不可能な受注ができるやん。うーん、これは厳しい。
販売側も、サービスの販売に対応していないように見える。大丈夫か?
アプリは多い。
在庫を仲立ちにして, 購買 - 在庫 - 販売と、データが繋がっている。それぞれのアプリが完全に独立したをデータベースを持つわけではない。統合しようと思えばできるようになっている。
「アプリ」の粒度が大きいんじゃないか。上でも少し書いたが,「整備」アプリから Purchase Order や Repair Order が作れる訳ではない。Order Management として括りだして、商品・原材料・設備から共通して呼び出すようにするとか。
製造アプリにあるはずの BOM も、設備 (固定資産) に流用してもいいはずで, そういう意味で、もう少し細かい機能単位で組み合わせるようになっていると、期待が持てるのだが。
商用のみのアプリが多く、いろいろ機能を試しづらい。「タイムシート」アプリと「プロジェクト」アプリ、販売が紐づいたりすると, サービスの販売と原価管理ができて, 面白そう。しかし今はそうなっていないので、個別のアプリの機能の勝負にならざるをえない。強みが出てきていない。
それぞれのアプリは、作りが簡易で, 機能性が不足している印象。もっと言えば、使い物になるか不安なレベル。
挙動がけっこう怪しい。入荷の取消しをしても、取消しの方が請求書受入れで考慮されなかったり。
日本で使うには、インターネットバンキング対応が必須。標準機能では備わっていないので、導入時に開発が必要だろう。
ERP の導入は, アドオン開発が何かしら必要。APIの出来栄えは見ていない。